つながることの幸せ
誰かの幸せが、あなたの幸せになる
私たちは、いつも前向きにがんばってばかりいることはできません。
気分が落ち込むこともあります。
そのような時は、自分が今直面している出来事に感じていることや、自分の振られている感情を、あなたの側にいる人にオープンにして話してください。
いつもポジティブにものごとを捉えることは大切なことですが、たまには、ネガティブを味わってその中から新しい学びを得ることもいいと思うのです。
そして、自分の弱点や苦手なところを見せたり、相手のなかにも同じように見つけたりすることで、その人と永く良い関係を築けたりします。
お互いが心の中を見せ合って、気取らない関係でいられるからです。
自分と100パーセントぴったり合う人には、なかなか出会うことはできません。
でも、お互いの失敗した話を飾らずに話せる仲や、お互いの足りないところもすべて認め合える仲であれば、とても満たされます。
それが人間の人生でとても大切なものだと思うです。

「心の中で感謝するだけなら、本当の感謝ではない。
自分は行動の中で感謝を示そう」
(ミゲル・デ・セルバンデス)
という言葉があります。
自由に生きることは、誰もが手にしたいと思っている生き方です。
でも、それは自分一人だけの幸せを目指すことでもなく、自分一人で好き勝手に生きていいことでもありません。
昔のいろんな風習や“ならわし”が時代おくれのように捉えられていくなかで、人と人との関係性もだんだん薄くなってきている感じもしなくはないのです。
だから、そのような今の時代だからこそ、人から「与えられたもの」への感謝が大切だと思うのです。
思えば、私たちは普段の生活のなかで、いろんな形で与えられて、それをまた違う形で誰かに与えていくペイフォワードの実践をしています。
今まで自分の力だけで人生を生きてきたのでもなく、例えば、学校の先生やお仕事の上司や先輩、両親やご先祖、たくさんの方から与えられたものによって、今の自分が在るのです。
でも、不思議ですが、与えられたものを与えてくれた人たちに恩返しをすることはなかなか出来ないのです。
だから、あなたはあなたのやり方で高みを目指す生き方を見せることが恩返しとなるはずです。
自分一人だけを見て生きるだけでは物足りない。
いろんな人との関わりが自分の人生をさらに魅力的にしてくれる。
それが人間の一生ですから。

「『せっかく生まれてきたこの世で、自分の人生をどのような物語に仕上げていこうか』という生き方の方が幸せなんです」
(河合隼雄)
という言葉があります。
誰にも同じように感じられる、幸せってどんなものでしょうか。
絶対的な幸せなど本当はないものですが、私たちはそれを見つけたいと思って探しています。
それは、自分の思う通りにものごとが進んでいる時に感じられることもあれば、困難のなかでも光を見つけるようにして感じることもできます。
私たちが幸せを感じる時は、いつも誰かと喜びを分かち合っている時です。
私たちの人生は、自分だけのものではなく、周りの人たちとの関係や、これからも続いていく絆のなかで生きているもの。
この世界の人間を含めたすべての存在は、切り離して考えることはできないように、あなたの人生も、あなただけのものではないのです。
あなたも、あなたの存在が周りに影響を与えていくことを知ってほしい。
あなたの起こす行動や言葉は、誰かを幸せにするためのものでもあることを知ってほしい。
私も、私ができることは何なのかを探し続けていきます。
「人生とは、出会いと縁と別れです。
出会ってから別れるまでの間に、嬉しいことや悲しいことがあって、
それを無事に超えていくことが生きるということなんです」
(瀬戸内寂聴)
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