バイアスという色眼鏡
その人の奥にある本質を見る視点
先日、福岡県筑後市からヒーリング・除霊・占いのセッションを受けに来られた方と、「バイアスという色眼鏡を外すこと」についてお話しをさせていただきました。
人間の不安や悩みや心配ごとのほとんどは、人間関係によるものだと言われます。
お仕事、学校、友人、地域、親子、兄弟など、いろんな関係性で出来上がっているのが人間の社会ですから、
そのなかで生きている私たちはいろんな経験をして、いろんな想いを持つんです。
たとえば、ちょっと意見が合わなかったことや、あいさつをしたのにきちんとあいさつを返してくれなかったみたいな、
とても些細なことからいろんな想いをめぐらせて、その人のイメージを決めつけたりすることもあるのでしょう。
でも、その人のちょっと目にした言動から分かることは、その人のその時の感情であって、その人の人間性の一面だけなんです。
私たちは、時々、そうやって色眼鏡をかけるようにして、先入観で人やものごとを見てしまうことがあります。
それが「バイアス」というフィルターなんです。
(とらわれることなく、人やものごとを見ることについて、以前にもこちらの「視点を変えてみる」のなかでお話しをさせていただきましたね)

バイアスとは、かたよった見方や先入観のこと。
それは、これまで経験してきたことや、今の自分の周りの環境や、その時の時代の価値観の影響によってつくられていくもの。
ですから、私たちは知らず知らずのうちに「ものごとを見るオリジナルな視点」というものを使って、自分の見たいようにものごとを見ているのでしょう。
それは、言い換えると自己中心的な見方でもあります。
だから、自分の意見や存在も「正しいもの」としてとらえて、自己肯定感につながるものでもあるのでしょう。
でも、そのバイアスの見方に頼ってこの世界を見ていれば、周りの人の意見や感情を理解することが難しくなったり、
正しいと悪いのジャッジにこだわることもあるのかもしれません。

ちょっと目にした情報や先入観だけで、人やものごとを見ることは、状況の変化や意見が変わるたびに、自分の心も大きく振らされるということにつながります。
大切なことは、バイアスを外して見るということ。
「一切衆生、ことごとく仏性有り」(禅語)
という言葉があります。
この世界のあらゆるものに、美しいものが備わっているという意味の言葉です。
どのような人にお会いしても、私が見たのはその人の一面にすぎないと思うことができれば、
もっとその人の美しいところを見つけようとする姿勢があれば、感情や態度の奥にある、その人の本質的なところが見えてくるはずです。
表面上は違っていても、深いところは自分と同じだということにも気がつかされるはずです。
だから、「他人がいない」ということもわかるようになるはずです。
人と人がつき合うということは、それぞれの今までの生き方を見せあって、受け入れること。
だから、まずは自分から色眼鏡をはずして、その人を見てみることから。
私たちの内面を見つめる視点が、私たちの本当の魅力を教えてくれます。
そして、私たちをつなげていきます。
美しさは目に見えるものだけではないんです。
それを見ることができる視点をいつも持っていたいと思います。
「美しさは目にあり。心で人を見よ」
( ローラ・インガルス・ワイルダー)
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