無心になること
湧き上がってくる感情にとらわれないということ
先日、うつ・心の病・不登校の方向けのヒーリングを受けに来てくださった方と、「感情にとらわれない」ことについてお話をさせていただきました。
私たちの心に現れる、嬉しい、悲しい、ワクワク、イライラという、いろんな感情。
それは、目にする出来事を自分の見方で解釈した時に表れる、自分の人生を味わうための大切なもの。
そして、昔を思い出す時にも、出来事と一緒にその時の感情も思い出すことで、昔のことを今目の前のことのように感じることもさせてくれるもの。
いつもどのような見方で出来事を見ているかで、感情の傾向も出来上がります。
たとえば、失敗することをいつも気にしていれば、ちょっとしたミスにも大きく感情が振られたり、
なんとかなると楽観的でいれば、こんなことにも前向きに取り組むことができるように、
誰の前にも同じように表れる出来事は、一人ひとりのとらえ方によって全く違うものになるのです。
ですから、感情が出来事を大きくもさせたり、小さくもさせたりするんです。
でも、感情に振り回されるのは避けたいものですよね。
そのためには、無心でいることが大切なのかもしれません。
無心とは、何も考えないことではなくて、心を空っぽにしておくことでもなくて、心に表れて消えていくものにとらわれないということ。
「我思う、ゆえに我あり」(デカルト)という言葉で説かれているように、感情を動かさないようにして「自分はない」とか「自分を消した」と思っても、
そう考えている自分はいつまでも残っていることになるのです。
だから、「考える」とか「とらわれる」いうことを抑えることが無心になることだと思うのです。
(心に湧き上がってくるものにとらわれないことについて、以前にもこちらの「感情のコントロール」の中でお話しをさせていただきましたね)
私たちは、日々の生活のなかでいろんな事に出会います。
良いこともあれば、悪いこともあって、気持ちがいいこともあれば、気持ちのよくないこともあります。
そのどちらにも、とらわれてしまえば心は乱れるもの。
湧き上がってくる喜怒哀楽を全くなくすことはできませんし、それは人間らしさになるものでもありますから、なんとかしようととらわれずに、
逆に、どのような思いが自分の中から湧き上がってくるのかを感じて、その感情の揺れをなるべく小さく収めること。
そうすれば、物事や誰かの言葉に動じることも少なくなるはず。
力んでいる心から、やわらかな心になって、今の目の前にあるものの見方も変わっていくはず。
過去のどんなことも、新しい見方で新しい思い出にすることもできるはずです。
「自分の感情を素直に感じることです。
緊張していたら『緊張してるな』とただ感じて
それを受け入れてプレーするんです」
(横峯さくら)
この記事へのコメントはありません。