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草原を散歩する人

大切なことは、変化を受け入れること、握りしめているものを少しずつ手放していくこと

先日、福岡のお友達のヒーラーさんと、ゆっくりお話しをさせていただきました。

そのなかで、日常で積み重ねていくことの大切さから始まる私たちの行いは、すべてを無常の視点で見ることで、さらに深い恵みを与えられることに気づかされました。

今まで私たちは、道を極めるために「刻苦勉励(こっくべんれい)」を努力の形として学びました。

それは、日々、継続することがいつの日か、目に見える成果となって現れることを表している素晴らしい言葉です。

でも、そのとらえ方から派生して、自分が所有しているものが失われることなく、そのままの姿でいつまでも在ってほしいと願う心が生まれることもあります。

仏教に「諸行無常」と言う教えがあります。

この世の一切のものは常に移り変わるものであるから、同じ状態のまま留まることはないという意味の言葉です。

日々、積み上げていくことの大切さを実践しながら、いろいろな心の惑いはあるとしても、すべての無常性を理解して、その気持ちに折り合いをつけて、限られた生をより良く生きる方向へ向かわせること。

そこに、本当の自分の姿を見つけることができる気がするのです。

それが、私たちの人生の目的を見つけることにも繋がるからです。

「持続とは、変化を続けることである」(アンリ・ベルクソン)
という言葉があります。

この世界のすべてのもの、マイホームや車、私たち人間も、すべては時間の経過と共に変化をしていきます。

思えば、定まらずに刻々と変化をしていくものを、そのままで固定しておこうとすることに執着しているのが私たちなのかもしれません。

この世界の移り行く様を、老化や劣化ととらえてしまうことがあります。

私たちは自分を中心に、欲をもってものごとを見ますから、自然の摂理や循環を衰えていくことのようにとらえてしまうのでしょう。

でも、老化も劣化も変化であるのです。

変化していく私たち人間も、自然と同じようにこの世界の循環のなかにある存在だと分かれば、人生はもっと楽に、軽く、そして視野も広くなるはずです。

お釈迦様は、この世の全てのものは「空」であって、「全て移り変わり、変化していくもの」として、その変化を受け入れられずにいる人達に説いていかれたそうです。

この世界のものは変化をしていく性質を持っているから、人間が抑えることができないものであることを理解できれば、

今、与えられているものが一番、私に素晴らしいものだと気づきます。

だから、今のままでいいのです。

大切なことは、変化を受け入れること。

そのことに真摯な態度で、まっすぐに向き合うこと。

肉体も変化をしていくものだから、今のままでいいのです。

「永い眼で見れば、無限に続く連鎖の中の一環に過ぎない」
 (城山三郎)
という言葉があります。

私たち人間にとって、病気や老いによる苦しみは、肉体の変化によるものもありますし、心から生まれるものもあるのでしょう。

仏教では、身体や心にある苦しみを「四苦」と呼びます。

でも、これは私たちが人間として生きる以上、避けて通ることのできないものです。

それならば、その苦しみは私の心の奥にいつも在るものとして、その上でこの人生をどう生ききるかというとらえ方にたどり着ければ、

それは永遠に続くものではなく、変わらないものでもないと気づきます。

もしかしたら、それはあなたの想いや煩悩が作り出した幻であるのかもしれません。

だから、闘う必要はないのです。

安心してちょっとずつ手放していいのです。

「経験そのものがひとつの意味です。
 その経験の連鎖を通して主人公は変化します。
 それがいちばん重要なことです。
 彼が見つけたものにではなく、彼が見つけなかったものにでもなく、
 彼がくぐり抜けてきた変化にこそ意味があるのです」
 (村上春樹)

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