謙虚が生み出すもの
私と周りの人を近づけてくれるもの
先日、ヨーロッパに住まれているお友達のヒーラーさんとお話しをしている中で、「謙虚であること」についてお話しをさせていただきました。
謙虚とは、控えめで慎ましい態度のことや、自分の力を誇示しないことという意味があります。
それは、人と人との関係の中で、自分以外の人が自分にとってどれだけ大切な存在なのかを知ることでおありますし、その気持ちをもって人に接することでもあると思うんです。
だから、自分を低く評価して自己紹介することや、劣等感を感じることや、自分の可能性を見ようとしないことは謙虚ではないんです。
それは謙虚ではなくて「遠慮」なんです。
遠慮ではなく謙虚でいることで、自分が生きている人生や世界だけがすべてではないことに気づかされます。
自分と同じように、周りの人の人生や生き方を認めることができるようになるからです。
(謙虚であることの大切さについて、以前にもこちらの「人づきあいのコツ」の中でお話しをさせていただきましたね)
私たちは、二つの世界を同時に生きています。
一つは、自分の外側の世界。
人や物や出来事が状況を作り出している、目に見える環境の世界のことです。
もう一つは、自分の内側の世界。
自分の心の状態や、信念や、出来事に対する感情や反応の世界のことです。
この二つの世界の生き方が大きく離れていくほど、「今のままでいいのだろうか」と自分に疑問を感じてしまいます。
逆に、自分の外側と内側の世界がほとんど同じなら、自分の生に喜びをたくさん感じることができるはずです。
そして、この二つの世界をつなぐことのできるものが「謙虚」だと思うんです。
「私たちはもちろん運よりも努力を信じて生きたい。
しかし人間の生涯の成功は、決して努力だけで達成できるものでもない、
という謙虚さも教えるべきなのだ」
(曽野綾子)
という言葉があります。
自分のことばかり考えようとする「内側の自分」と、周りのことばかりを気にしようとする「外側の自分」を一つにすること。
それは、強すぎる自己意識と他人軸の意識から自分を開放することでもあるのでしょう。
そうすれば、周りの人に感謝したり、感謝されたり、励ましたり、励まされたり、喜びや充実感を分かち合う楽しみも体験できるはずです。
謙虚が私たちの内側と外側の世界の調和を生んでくれますから。
どんなものについても「自分」と「他のもの」という見方から、「自分」と「もう一つの自分」という見方に変わっていきます。
いろんなものが、自分に近い存在だと感じるようになるはずです。
まずは、出来事にも周りの人にも心を開いて接してみてください。
怖がることはありません。
何回生まれ変わっても、私たちの心のいちばん深いところには「愛」と「利他」があるのですから。
「謙虚というものは、人の前で、己を無にするとか
低く見せることでは絶対にない。
むしろ自分の責任において、己を主張することだ。
つまり、謙虚は権力とか他人に対してではなくて、
自分自身に対してこそ、そうあらねばならないんだね」
(岡本太郎)
この記事へのコメントはありません。