迷いを減らすために
目にする情報と選択肢をコントロールすること
情報化社会と言われるぐらいの、情報が多い時代に生きている私たちは、求めているものをすぐに見つけて手に入れることができる、とても便利な環境にいます。
でも、その多すぎる情報が私たちの判断力を弱くしていることもあるんです。
たとえば、ネットで検索をする時、これがいいと思っても他にも同じようなものをたくさん見つけて、決められずに判断に迷うことがあります。
自分にとっての一番いいものを選ぼうとする時に、選択肢が多ければ多いほど、他にもっといいものがあるんじゃないかと思ってしまって、自分の判断に自信が持てなくなったりすることもあります。
そのようなケースは、個人のことだけではなくて、社会の中のいろんなところで起こっているように思うのです。
(迷うことを減らすことについて、以前にもこちらの「『迷い』『悩み』から抜けるために」の中でも、お話しをさせていただきましたね)

「道に迷い込むことによって逆に、自分が本当に進みたい道がはっきりと見えてくるということは多いのではないでしょうか」
(林真理子)
という言葉があります。
お仕事を選ぶ時も、会社の将来性や条件や、仕事内容の面白さやお給料など、いろんな情報を考慮しながら決めていくと思いますが、
でも、どんなことも決定をする時は、「自分が何をしたいのか」という視点を大切にしたいですね。
それは、損得で選ぶよりも、計算をするよりも先に、何をすればワクワクやドキドキを感じることができるのかという視点のこと。
したいことや生き方というのは、どれだけ情報を集めても、やはり最後は自分の心の中に見つけるものですから。
だから、これからどうするかを決める時は、まずは今、自分の心がどこに向いているのかを見て、自分の心に問いかけてみることです。
選択肢が多いことは、可能性を広げてくれることですが、多すぎる選択肢が私たちを迷わせるのなら、目にする情報の量をコントロールすること。
今はとりあえず、必要な情報だけを集めて、それから選択肢を広げていくこと。
たとえば、年齢を重ねていくことで、だんだんと興味のあることがしぼられていくことや、できることが少なくなっていくことで、心を向けるものが一点に定まって充実を感じることがあるように、
選択肢の少ないことが逆に、自分が今するべきことをはっきりさせてくれることもあるんです。
自分の心に問いかけて選んだことや、やると決めた行動には、ブレるということがなくなります。
そこにはもう、迷いというものを感じる余地もなくなるはずです。

「随処に主となれば、立処みな真なり」
(臨在義玄禅師)
という言葉があります。
どんな所にいても、今ここでできることを一生懸命にしていれば、いつも自分が自分の人生の主人公で生きることができるという意味の言葉です。
ここで言われている主人公とは、いろんな情報に惑わされずに、しっかりと目指す所を見ている人のこと。
いつでも、どのような所でも、誰でも自分の人生の主人公になることができます。
まず、心の向きを定めること。
そして、今できることに集中すること。
そこから始めていきましょう。
「自分の力を信じていますか?」
(船井幸雄)
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