ムダは必要なもの
人生はムダがあるからこそ、素晴らしいもの
先日は、日本三代カルストの一つ、北九州市の平尾台へハイキングに行ってきました。
トレッキングコースとしても人気のある平尾台は、標高700メートルにある、石灰岩と緑の豊かなとても気持ちのよい場所。
いろんな考え事も、ここに来れば消えてしまうような、素敵な景色が360°見渡せる場所なんです。
日々の生活のなかで、私たちが何も考えずにボーッとする時間を幸せだと思ったり、癒やしだと感じるのは、
日々、一生懸命に自分の人生を生きているからこそなんでしょう。
現代はとてもスピードの早い時代ですから、お仕事に追われることも、時間に追われることも、生活に追われることもあるかもしれません。
目の前にあるやるべきことをこなすだけで精一杯の時もあるかもしれません。
でも、たまには時間をつくって本当の自分の姿や、本当の幸せの姿を確認してください。
一日のうちで、たった数分でもいいんです。
周りのものにとらわれている思考を修めて、ただボーッとしてみてください。
いろんなことが頭に浮かんできても、それを深追いせずに、どんどん頭の外へ逃してみてください。
その時に、あなたの内に何事にもとらわれない自分を見つけることができます。
それが、あなたの本当の姿なんです。
惑う時、とらわれている時、流されている時は、外の世界を追求することを止めてみること。
思考も言葉もいりません。
何も考えない時間。
それが、本当の自分と対話する時間ですから。
(本当の自分を意識することについて、以前にもこちらの「思考と感覚の自分」のなかでお話しをさせていただきましたね)

「忙しい」という漢字は「心を亡くす」と書きますが、静かに思い出せば、本当は時間がないから忙しかったのではなくて、
心に余裕がなかったから忙しかっただけなのかもしれません。
私たちは、何かがないと何もできないという発想でいる限り、忙しく求め続けることをしてしまいます。
ですからその考え方を、私は「すでに持っている」というところから始めてください。
私には住む場所がある。
私には着るものがある。
私は今日、食べるものを持っている。
このような、今の自分にすでに足りていることの一つひとつを細かく考えてみてください。
ふだん、当たり前のように思っていることを新しい視点で見ることで、自分が持っているものの価値を確かめることができるはずですから。
その時に、心のなかにゆとりを感じることができるんです。
人生には、どうしてもムダなことやムダな時間が出てきてしまうもの。
調子の出ない日もあれば、がんばってみても何も達成できないまま終わる一日もあります。
完璧であることにこだわったり、「すぐやる」ことをあきらめることで、見えてくるものもあるんです。
人間の人生は、ムダがあるからこそ素晴らしいもの。
私はそう思います。
「一つのドアが閉まる時、別のドアが開く。
しかし、閉まったドアをいつまでも残念そうに見つめているので、
開いているドアが見えないことがよくある」
(A・グラハム・ベル)
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