執着とこだわり
本当の豊かさは、手放すことで得られるもの
お金や、恋愛や、お仕事について、悩みの発生する原因の一つには、失いたくない手放したくないという気持ちがあります。
それを「執着」といいます。
それは、人や物や状況について、「今の状態がずっと続いてほしい」と思う気持ちに心がとらわれている状態のこと。
もし、自分でそれが執着であると自覚をしていなくても、そのままの状態でいることに窮屈さや不安や、自由のなさを感じているのでしたら、何かに気持ちを強く向けているのかもしれません。
でも、執着を外すことは、何かをあきらめることではないし、捨てるということでもありません。
ただ、手放していくということなのです。
それは、とらわれていた心を開放することですから、手放せば心が軽くなったり、いつもの景色も違って見えてくるはずです。
「手放すとは、結果に執着しないこと。
結果がどうなっても、平安を保ち続け、幸せでいられるのです」
(リズ・ブルボー)
という言葉があります。
執着と似ているものに、「こだわり」というものがあります。
どちらも、なにかの目的を達成したいという気持ちが源にあるものですが、一つ違うのは、そこに喜びがあるか。苦しみがあるか。
希望や夢があって、ポジティブな気分でいられるのが、こだわりなのでしょう。
だから、今あなたが取り組んでいることへの気持ちを執着にすることも、こだわりにすることもできるのです。
こだわりを選ぶあなたには、たくさんの選択肢が用意されて、目的を達成するまでの道順がいくらでも見えています。
それは、自分を制限していない状態ですから、今よりずっと自由になって、幸せも感じられる道へとつながるとらえ方。
新しいことにも興味を持てるから、チャンスを掴むこともできるのです。
何かにチャレンジをする時もそう。
今の生活をずっと続けていたいからと動かない自分と、成功しなければいけないからと気負う自分。
人生には正解はありませんから、そのどちらもあなたには正解ですが、でも、心は窮屈そうで自由ではない状態だと思うのです。
まず、あなたの心から恐れを取り除いてください。
恐れは本来のあなたとは違う方向に向かうエネルギーですから、信じるという心に変えていくのです。
それから、あなたの心が軽くなる方、自由を感じる方へ進んでください。
その時、悩むことはありません。
悩むということは苦しむことでもありますから、心から力を抜いて、ただ考えてみてください。
今の自分の行動の源には恐れがあるのか、信じる心があるのか。
「あなたが持っているものに感謝すれば、結局もっと得られる。
もし持っていないものに執着すると、決して充分に得られない」
(オプラ・ウィンフリー)
という言葉があります。
執着をしがちな性格というものがあるように思れていますが、それは違うと思うのです。
人間には人格というものがあって、この人格は気質と性格から成り立っています。
気質とは生まれながらに備わっているもの、性格はいろいろな事を経験することによってつくられるものです。
ですから、私たちの性格とは、どのような経験をするかによってどのようにでも自分で変えることができるのです。
日々の生活のなかに、執着をしない自分になるためのきっかけがあります。
幸せと快適と喜びを同時に感じている時、選択肢が一つではない時が、こだわりの中にいる状態です。
その先には、夢や希望があります。
自分の意志で執着を手放すと、本当に大切なものが見えてきます。
本当の貧しさから抜け出すためには、お金を手放す恐れをなくすことであったりするように、
心の豊かさは、握りしめている何か(執着)を手放すことによって得られます。
足りないとか失うことを恐れることはありません。
これからあなたに与えられる豊かさは、無くすことによって生まれてくるからです。
「すべてが変わってしまうことを避けるためにこそ、
なにかが変わらなくてはならないのだ」
(映画『山猫』より)
この記事へのコメントはありません。