自分を信じきることから生まれる、本当のポジティブの姿

先日、福岡市からヒーリング・除霊のセッションを受けに来られた方と、「ポジティブ」についてゆっくりお話しをさせていただきました。

ポジティブについては、以前にこちらでもお話をさせていただきました。

私たちは、心や感情がポジティブな方を向いている時に、事態が好転する経験をしてきていますから、常にポジティブであることを意識しがちになります。

でも、無理やりポジティブになる必要はないのです。

私たちの気分は波のように揺れ動くものだから、上がったり落ち込んだりすることがあります。

いつも前向きに生きることができればいいのですが、人生とはいい時ばかりが続くものではないですし、元気が出ない時もあります。

だから、どんなに自分を励ましても気分が上がらない時は、無理にテンションをあげるのではなく、一度、ゆっくり落ち込むことも大切です。

自分の感情や心の動きに耳をすますことは、自分を大切にすることでもありますから。

その時だけは、チャレンジを止めて、目標もちょっと忘れて、今のあなたができることだけをこなすこと。

どんなに小さいことでもいい。

できたことの数だけ、あなたは自信を取り戻していくから。

いっぱい、小さなできることを集めていく。

それが、ポジティブになるコツです。

作曲家のベートーヴェンさんは、難聴に苦しみながら、兄弟の死や後見問題でも悩まれた後に、「歓喜の歌」を生み出されました。

ベートーヴェンさんが妻へ宛てた手紙のなかに、このような一節があります。

「無限の精神の体現者でありながら、有限の存在である私たち人間は、苦悩と歓喜の両方を耐えるべく生まれついているのです。
私たちにとって最善のことは、苦悩を突き抜けて、歓喜に至ることだと言えます」(ベートーヴェン)

苦しい時、その苦しみに埋もれるのではなく、希望の方を向いておくこと。

その気持ちが新しい世界を見せてくれますから。

本当は、誰にも歓喜に至る道というものが用意されているはずです。

本当は、私には無理、私はだめだと思って、その道から目をそらしてきたのではないでしょうか。

日々、いろんなことに向き合って努めているのに、自分を否定することはないのです。

有限の肉体を通して感じることから解放される時、人間としての本当の喜びがそこにあるのでしょう。

そして、自分自身に自信をもつこともできるのでしょう。

「疑えば花開かず、信心清浄なれば、花開いて、仏を見奉る」という仏典の句があります。

この世界で起こる出来事はすべて意味があります。

今、自分自身について、思い通りにならないことがあるかもしれません。

でも、それに耐えて乗り越える時、逆にそれを恵みとする時、あなたのカルマが解消されるのでしょう。

だから、あなたが今背負っているものを不幸だと悲観するのではなく、自分自身のために与えられているもの、誰かの代わりに背負っているものと受け止める時、あなたの心の中には感謝しかないはずです。

悲観的に人生をとらえることはありません。

自分のことも含めて、自分と関わるすべての人の喜び、悲しみ、楽しみ、辛さを感じながら生きていく。

魂や精神が純粋であることを意識すれば、その先に、心を豊かにされる世界に触れることができるはずです。

「今日一日、怒らず、恐れず、悲しまず、正直、親切、愉快に生きよ」
(中村天風)