直感と思考、執着と解放のお話

先日、お友達のヒーラーさんとお会いした時に、日々「どんな視点でいるか」ということについてお話しをさせていただきました。

今、私たちがいる世界は物質世界だと言われています。

その物質の世界で自分の望むものを手に入れるために、私たちは現実的な目標をたてたり、状況を見ながら達成に向けて進んでいくことを経験しながら学んでいくのです。

目標を達成するためにいちばん大切なことは、努力をすることだと誰もが思いますが、それと同じくらい大切なものがあります。

それは、時々、頭のなかにふと現れる「直感」なのです。

直感はものごとやお仕事について、「いつ動いて、いつ動くべきではないか」というタイミングや、思考だけでは感じ取ることのできないことを教えてくれます。

ものごとの本当の姿を見ようとする時は、状況がどんなふうなのかだけではなくて、その状況に自分の感情がどんなふうに入っているかも見ていくことが大切なこと。

思考と直感を使うことができれば、ものごとについていろんな見方ができるようになります。

それは、思考を使って出来事の事実としての「外側の現実」を見ることと、直感を使ってその出来事を私がどう見てどうとらえているかという「内側の現実」の両方を見ること。

原因から結果が決まることもあったり、結果から原因をさかのぼって決まることもあります。

それなら、出来事という現実と自分がとらえている現実、そのどちらも私たちの事実にすることができるのでしょう。

「いつも闘いです。
　自分の古いものを捨てて、
　いかに新しいものを出すか」
　（乙羽信子）

という言葉があります。

私たちがものごとを見て判断をする時は、新しい可能性を見ようとする直感と、自分を守ろうとする思考の二つの視点から見ています。

ものごとを見て、私たちの心にまず「こうしたい」という直感が生まれます。

でも、その直感のとおりに行動することができないのは、過去に経験した恐怖心や悪い結果を想像しているからなのです。

そこで「こうするべきだろう」という考えが浮かんできて、そのとおりに行動をしてしまうことがあるのですが、この考え方は思考の働きによるものです。

そのことを理解できれば、どのようなことについても「この方法しかない」という見方もなくなっていく。

つまり、執着がなくなるのです。

(執着を自分の内からなくすことについて、以前にもこちらの「執着とこだわり」の中でお話しをさせていただきましたね)

執着がなくなると、今まで当たり前だと思って見ていたことから、いろいろなことを気づかされます。

条件があると思っていた現実は、自分の思いこみだったこと。

逃げるのではなく、受け入れるだけでよかったこと。

この世界は苦しみばかりではなく、楽しみも苦しみもどちらも在る場所だということ。

執着がなくなるということは、先入観のない見方を手に入れることなのです。

それはある意味、子供のような素直な視点を手に入れること。

そのような目でこの世界を見れば、いろんなことに気がつかされるのです。

自分のなかで絡まっていたものがほどけていくような感覚もあれば、他者についても自分についても「ゆるしていい」と思えるようにもなるのです。

直感を意識することで執着がなくなる先には、自分を解放する次元が待っているのでしょう。

「うつくしいものに出会ったら、
　いっしょうけんめい見つめなさい。
　見つめると、それが目ににじんで、
　ちゃあんと心にすみつくのよ。
　そうすると、いつだって
　目のまえに見えるようになるわ」
　（あまんきみこ）