事実は創り出すもの
そのまま、したいことをする。それをあなたの事実とする。
「事実」という言葉があります。
その意味を調べてみると「実際にあった事柄」と出てきます。
でも、事実というのは人によってその重さが違うものです。
たとえば、友達や夫婦の間で人間関係のトラブルが起こる時なども、お互いに相手がなんでそんなに怒っているのかを理解できないでいることがあるようにです。
あなたにとっては忘れてしまうようなことでも、他者にとっては感情を大きく動かされることが日常の生活の中にあるのです。
それはつまり、一つのことについて、それを見る人の受け取り方の数だけの事実があるということ。
その中でどれが正しくてどれが間違っているという判定をしようとするのなら、それはその人の価値観を否定することなのかもしれません。
それでは、私自身の価値観も固執したものになって、視野の狭いとらえ方になっていきそうな気がするのです。
事実はいつも、その人の心を通した価値観から出来上がるものだからです。
「自分をその人より優れているとも、偉大であるとも思わないこと。
また、その人を自分より優れているとも、偉大であるとも思わないこと。
そうした時、人と生きるのがたやすくなる」
(トルストイ)
という言葉があります。
セルフイメージが高くて、ものごとの変化を一時的なものとしてとらえることができる人が、みんなと同じ経験をしていてもあまり傷つくことがないように、
問題の解決を試みる時は、まず自分の心の内を見つめてみることから気づくことがあるのでしょう。
他者から否定や拒否をされることを恐れる時、私たちは自分を強く見せようとしたり、弱く見せようとしたりします。
それは、自分を責めないでほしいとか許してほしいという気持ちを表しているのかもしれません。
でも、いろんな価値観のあるこの世界のなかで、自分と同じ意見の中だけで生きていくことは難しいもの。
そして、それはあなた自身のためにはならないことなのです。
私たちは、自分の考えの範囲を超えたものに出会う時に、自分に足りなかったものを知ることができるからです。
たとえば、誰かのやさしさに触れて、やさしさというものに気づいて、自分から誰かにやさしく接することができるようにです。
自分一人でいくら考えても、何を経験していないのかは分かりませんし、気づくことも難しくて、
自分一人で理解しようとしても、今までの価値観を持って理解しようとするから、そこには誤解が生まれるかもしれません。
だから、自分の世界をこの世界と照らし合わせるために、あなたの周りには関わりを持つ人がたくさんいるのです。
「よりよい成果が得られるのは、自分が一番好きな仕事をしているときだろう。
だから人生の目標には、自分が好きなことを選ぶべきなんだ」
(アンドリュー・カーネギー)
という言葉があります。
あなたの周りにはいろんな人がいるはずです。
自分のやりたいことをする人もいれば、自分の考えの中で思い込んで何もしない人もいます。
同じ一日をすごすなかで、働くのも、遊びに行くのも、勉強することも、眠ることも、本当はあなたは強制されているものはなくて、すべてを自分で選ぶことがゆるされているのです。
こういうことが周りの人が期待している事かなとか、こうしたら周りの人に好かれるだろうという事を考えてしまうかもしれませんが、
あなたのすぐ側にいる人があなたに期待する事は、あなたがしたいようにすることなのです。
他者に認められようとする時も、特別なことをしなければいけないことはないのです。
何もしなくても、周りの人があなたに好意を持っていることもあるのです。
自分らしいことをしている時が、私たちの魅力をいちばん引き出せている時。
だから、あなたはそのまま、したいことをしていいのです。
そうして、歩んでいく道を、あなたの「事実」としてください。
「あなたの置かれた状況は変えられない。
でも、その状況との向き合い方を決められるのは、
あなただけよ」
(映画「50/50」より)
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