本当のポジティブの姿
出来事ではなく、あなたの心がポジティブを創るということ
人間の脳内神経伝達物質の一つに、セロトニンというものがあります。
これは、人の気分に影響を与える働きを持っているそうで、不足すると不安を感じやすくなったりするそうです。
そのセロトニンの遺伝子形状にもいろんな種類があって、それによって、ポジティブな性格やネガティブな性格がおおまかで判断されるそうです。
実は私たち日本人は、不安を感じやすい性質のセロトニン遺伝子を持っている割合が多いそうなのですが、それは悪いことばかりではありません。
私たちは、それをそのままマイナスなとらえ方で受け止めるのはなくて、プラスな要素に変換してきました。
たとえば、故障の少ない製品を作り上げることもそうですし、細やかなサービスができることも、いろんな方と力を合わせて支え合って生活してきたこともそうなのでしょう。
不安を感じやすいからこそ、不安になりにくい社会や、いろんな人が適応できる社会をつくりあげてきたのでしょう。
でも、最近のいろんな所で感じる大きなプレッシャーやストレスを感じる時、身の周りの社会や環境に変化を求めることと同じように、自分の心の向きを変えていく姿勢も大切です。
私たちが、こう在りたいという自分の姿を目指す時、求められるのは自分の外の変化だけではなく、自分の内の身体の健康も、心の健康もそうですから。
ポジティブという言葉からのイメージは、気の持ちようだけではなくて、高い自己肯定や、楽観的とか、利他的など、自分が明るい方へ向かっていくことを想像させてくれます。
それは、自分が幸せになることに向かっていくことを追求することでもあるのでしょう。
もともと、ポジティブという言葉は「今の人生よりもっと充実した幸福な人生を送れるようにするため」という意味で使われていたそうですから。
でも、それはネガティブを感じないようにして、とにかく明るくいようとするものではなくて、ポジティブもネガティブも両方を認められる広い視野をもって、いろんな自分を認めてあげること。
それは、喜んでいる自分も、悲しんでいる自分も、ぜんぶ認めてあげるという中庸のとらえ方なのです。
だから、100%ポジティブでいなくていいのです。
あなたが今、居心地の良いところに、あなたの心を置いてください。
その状態を表す言葉に「well-being」というものがあります。
これは「身体的・精神的・社会的に良好で、充実した状態」という意味の言葉。
それが、私たちの目指す本当のポジティブなのでしょう。
「成功者になろうとするな。価値ある者になろうとせよ」
(アルバート・アインシュタイン)
という言葉があります。
心の充実には、短期的なものと長期的なものがあります。
短期的に心が満たされるのは、映画を見て感動した時だったり、美味しいご飯をみんなで一緒に食べて幸せを感じる時だったりします。
あと、スポーツや楽しいことに没頭している時に感じるゾーンやフローという状態もそうなのでしょう。
それは、身体も精神も集中してパフォーマンスが高まっている状態ですから、時間が経つのが遅く感じたり、早く感じたりするものです。
だから、その状態にいる時は、不安や悩みも入ってこれない幸せな状態なのでしょうし、前向きな姿勢でいられますから、何かを達成しやすい状態でもあるのでしょう。
それは、過去についても未来についても思うことをやめて、「今ここ」に集中することなのでしょう。
思考は常にいろんな方向を向いていて、心もそれにつられて定まることが難しいものだから、
今ここに心を集中することが、幸せを感じることにつながるはずです。
そして、今に集中できれば、やりがいも感じられます。
心のなかに夢も生まれて、その実現に向けて動きたくなる動的な幸せも感じられるはずです。
「幸せな人は、他の人も幸せにしてしまうわ」
(アンネ・フランク)
という言葉があります。
本当は、私たちは出来事を自分の思う通りに変化させることができるのです。
それは、ものごとを楽観的にとらえるか、悲観的にとらえるかによってです。
これからもし、あなたに悪い出来事が起きた時は、こうとらえてみてください。
「これは、誰のせいでもなく、今だけのもので、他のものには影響を与えないもの」
良い出来事が起きた時は、こうとらえてみてください。
「これは、私がきっかけを創った、これからも続いていくもので、いろんなものに影響を与えていくもの」
この世界では、何でもうまくいくようにはされていませんから、出会う出来事をそのままのイメージで受け止めるのではなく、
あなたの受け取りたいイメージで受けとることで、あなたをポジティブにすることができるのです。
あなたの心がいつも、ポジティブを生み出すのです。
「鏡に向かって微笑みなさい。
毎朝微笑みなさい。
そうしたらあなたの人生が大きく変わっていくのに気づくでしょう」
(オノ・ヨーコ)
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