逃げない生き方
苦をいただくという考え方
私たちはみんな、何も持たず、曇りのない真っ白な状態で生まれてくると言われます。
それが、私たち人間の本来の姿なのでしょう。
でも、長く生きていくうちに、私たちはいろいろなものを身に着けていきます。
それは、この世界を生き抜くための知識だったり、自分の内側ではなく外側に価値を見ようとすることなのかもしれません。
そのような私たちの今までの考え方からすれば、苦しみがない状態が、幸せであるということだったはずです。
だから、私たちは不安や悩みをネガティブとして、その反対にある安心や希望をポジティブとして見ていて、
そのポジティブの方に心が向いているかどうかを気にしますが、ネガティブから学ぶこともたくさんあるのです。
人生において、社会的な立場も変わっていくことや、私の肉体が老いていくことなど、いろいろな変化を避けことはできません。
この世界の変化とは成長でもあるからです。
私の心もその変化について行きたいと思います。
だから、完全ではない存在の私たちが、欠けているものを補っていくことは、変化を続けていくことでもあるのでしょう。
そして、本当に求めるものは安定や、そのままでいることではないのです。
それは、不安定に強くなること、新しい可能性を自分の中に見つけること。
目の前の現実に向き合って、現実から逃げないと心に決めた時、不安や悩みが薄まっていくきっかけが見えてくるのです。
それに気づかせてくれるのが、苦しみでもあるのです。
「患難が忍耐を生み出し、
忍耐が練られた品性を生み出し、
練られた品性が希望を生み出す」
(ローマの信徒への手紙5章3~4節)
幸せになるためには、安全で楽をする暮らしが必要であるという考え方を、私たちはいつのまにか身に着けてしまっている気がします。
でも、どのような境遇であっても、そのなかで自分のするべきことを日々しっかりと行うことで、必ず幸福が訪れると信じてください。
その時、あなたには品性という美しさが備わるはずです。
人間は、生まれたままの心の状態では、この世界の現実に耐えることができない時もあります。
だから、現実に耐えることができるようになるために苦しみがあるのでしょう。
自分の本当の気持ちや願いに気づかせるために、それを表に現すために苦しみがあるのでしょう。
そうして、私たちは現実に耐えられるような人間になっていくのでしょう。
「世の中には辛いことがたくさんありますが、それに打ち勝つことでも溢れています」
(ヘレン・ケラー)
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