内なる世界を表現する
あなたの心のなかにあるものを、表現することの大切さ
私たちは、ふとした時に、今の自分の状況と昔の自分の状況を比べることがあります。
その時に、昔と比べて最近の世の中は、なにか自分の思ったように生きていくことができないことを感じたり、いきづまりを感じることが多いと感じることがあります。
でも、これまで私たちはいつでも自分が生きている時代を生きづらい世の中ととらえていたはずです。
時代は関係なく、この世界はなかなか自分の思う通りにはならないことが多いものであるからです。
人生において、何事も同じ状態がずっと続いていくということはありません。
子供の頃に身につけた世渡りの方法や、大人から教わった価値観などが社会に出れば通用しないように、
環境や時代が変われば、それまでの自分のやり方が通用しないことに、生きづらさを感じることがあるのです。
盛り上がっていた時期が過ぎて、力をなくして弱くなることを「盛者必衰」という言葉で表せば、マイナスなイメージを持つことがあります。
でも、この法則には、実はプラスもマイナスもありません。
ただ、同じ状態がいつまでも続いてほしいという私たちの都合が、マイナスに感じさせているのです。
それならば、すべては変化していくという原則を受け入れて、その上で、どうすれば心が穏やかに生きることができるかを探すことです。

「豊かな人間とは、自身が富であるような人間のことであって、富を持つ人間のことではない」(マルクス)
という言葉があります。
結婚や病気や転職を、人生のターニングポイントにする人もいますが、でも大きな出来事を経験しなくても人生の方向を変えることができます。
それは、あなたの価値観を変えること。
他者と比べることで自分の存在価値を確認することをやめて、生まれながらにすでに自分が持ち合わせている価値に気がつくこと。
誰にでも好かれようと無理をせず、嫌われる勇気を持つこと。
みんなから好かれるよりも、みんなを好きになること。
今までのあなたのやり方や考え方が、基準を「外」に求めていたものなら、それには限界があるものだったのでしょう。
でも、これからのあなたは、あなたの「内」なる声に従っていくから、無限なのです。
「内」とは、あなたが本来の自分でいられる場所だからです。

「あなたが想像できることは、すべて現実なのだ」
(パブロ・ピカソ)
という言葉があります。
本来の自分という表現に似ている言葉として、自分らしさというものがあります。
自分らしさとは、自分から外へ向かっていく行動や言葉による表現のこと。
本来の自分とは、それよりももっと深いところにある、時代や環境に左右されることのない、あなたの本質からの意志なのです。
いつも新鮮な気持ちでいるためには、新しい風を自分のなかに取り入れる必要があります。
そして、少しずつ自分を新しくしていくために、今日感じたことを言葉にして、誰かに伝えること。
一昨日も昨日も今日も、全く同じ日が続いているのではありません。
一昨日も昨日も今日も、違う日だったと思うから、今日も明日も明後日も、違う日が続いていく。
それが、自分の変化をちょっとずつ感じるための視点です。

「たいせつなのは、じぶんのしたいことをじぶんで知ってるってことだよ」
(スナフキン)
という言葉があります。
毎日、同じルーティンワークをこなしているとしても、いつも「これが始めて」という、心の張りを持つこと。
そして、感性を研ぎ澄ませておくこと。
それは、いつも目にしている景色のちょっとした変化に気づくことや、誰かが最初に言ったことにただ追従することをやめてみること。
この世界は二極の世界だから、一つのものに対して、二つのとらえ方のできる世界です。
例えば、正しいには悪い、美しいには汚いなど、大きく分けて二つのとらえ方ができます。
でも、私たちひとり一人がそれぞれ異なる環境で見たものを自分のとらえ方で感じてきたように、自分の感じたものを言葉にして表す時も、いくらでも表現方法があるのです。
だから、誰かの表現を認めながらも、あなたの感じたこともちゃんと言葉にしていくこと。
感じたものを言葉にして表していくのは、とても大切なこと。
例えば、幸せについても、誰もが大切なものだと知っています。
でも、本当は、幸せに気づく心を持つほうがもっと大切なこと。
そのような気づきによって、あなたの感性を磨くことで、きっとさらに善い変化があなたに訪れるはずですから。
「『眼鏡を忘れたみたいだ。
よく見えない』
『眼鏡なしのほうが、
よく見えるはずだ』」
(映画「デッドマン」(ジム・ジャームッシュ監督)より)
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